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新宿区で旅館業法に基づく学校等照会が必要になる場合、疎明書は申請時に準備する書類の一つです。単なる定型文ではなく、経営主体、経営目的、運営方針、資金計画等を、事実に基づいて説明します。民泊GOの取扱案件では、新規許可だけでなく旅館業の承継手続でも準備を求められました。
民泊GOが対応した案件では、事業計画や資金計画に加え、融資を受けている場合の返済計画まで確認されました。すべての案件で同じ資料が必要とは限りませんが、説明が不足すると修正や追加資料を求められ、申請工程が延びる可能性があります。
- 疎明書が必要なのは、新宿区のすべての旅館業申請ではない
- 公開テンプレートへ穴埋めする書類ではなく、案件ごとに内容を組み立てる
- 事業・運営・安全・資金の説明を、他の申請資料と一致させる
新宿区の旅館業で求められる疎明書とは
ここでいう疎明書は、申請者の欠格事由に関する申告書ではありません。旅館の設置によって、学校等の清純な施設環境が著しく害されるおそれがないことを、計画の内容から説明する書類です。
新宿区保健所が公開する「審査基準【旅館業】」では、旅館業法第3条第4項に基づく照会が必要な場合、次の書類を保健所提出用1部と照会施設分用意すると案内しています。
- 疎明書
- 旅館から照会施設までの敷地間距離を示した見取図
- 各階平面図
- 正面図・側面図
疎明書は、新宿区で旅館業を申請するすべての案件に一律で必要な書類ではありません。学校等施設との位置関係などから、旅館業法第3条第4項の照会が必要になる案件で問題になります。
学校等照会が必要になる条件や「100m以内なら不許可か」という全体像は、次の記事で解説しています。
疎明書の様式や記載例が見つからない理由
2026年9月1日時点で、新宿区の旅館業申請ページと公開手引を確認した範囲では、学校等照会用の疎明書について、ダウンロードできる様式や詳しい記載例は確認できません。
公式手引には書類名が記載されていますが、「この項目を、この文字数で書く」という説明までは示されていません。保健所へ相談しても、完成文を教えてもらうのではなく、申請者が法令と計画に沿って説明するよう求められることがあります。
民泊GOが2025年・2026年に扱った新宿区の案件では、事前相談の段階で疎明書を必要書類として案内されました。具体例の一つは、小学校の近くにある3階建て一戸建てのホテルで、客室は3室です。
書式や記載例を確認しても提示はなく、公開されている記載事項に沿って案件固有の事実を整理する必要がありました。最終的に疎明書を提出用書類としてまとめ、旅館業許可を取得しています。
この事例から分かること:完成例を探し続けるより、物件・運営・資金の事実を先にそろえ、行政が確認する観点に沿って説明を組み立てることが重要です。
疎明書を白紙から書き始める前に、照会対象施設、距離、施設の見通し、通学路、運営体制、資金調達方法を先に確定します。前提が動くたびに書き直すより、必要な事実を集めてから一つの説明へまとめる方が効率的です。
疎明書に整理する主な内容
新宿区から案内された主な記載事項は、経営主体、経営目的、運営方針、資金計画等の事実に基づく資料です。必要な具体性は物件や行政との協議によって変わるため、民泊GOでは次の5つに分けて確認し、矛盾のない文章へまとめます。

経営主体と経営目的
誰が、どのような目的で旅館業を行うのかを明確にします。法人の事業内容、宿泊施設を始める理由、想定する利用者、地域での位置付けなどを、登記事項や事業計画と一致させます。
施設と運営の計画
客室数、定員、チェックイン、本人確認、管理者、苦情窓口、駆け付け体制などを整理します。申請図面、運営委託契約、ハウスルールと説明が食い違わないことが重要です。
学校等の環境を守る対策
学校内部への見通し、通学路、宿泊者や車両の出入り、騒音、ごみ、喫煙、路上滞留への対策を、物件の位置関係に合わせて説明します。「十分配慮します」という抽象表現だけでは、具体的な運用を判断できません。
事業計画と資金計画
取得費、工事費、運営費、売上計画、資金調達方法などから、適正な管理を継続できる計画かを説明します。数字を載せる場合は、他の事業計画書や融資資料と整合させます。
融資を受けている場合の返済計画
民泊GOが新宿区で対応した個別案件では、融資全額について返済額と返済計画の提示を求められました。これは全国一律の法定書類でも、新宿区の全案件に必ず求められる項目でもありません。ただし、行政から確認されたときに説明できるよう、借入条件と事業収支を整理しておく必要があります。
民泊GOの個別案件では、「計画が赤字又は収支均衡に近い」「電気代が毎月同額」「管理委託費が初月にしか計上されていない」「Airbnbの手数料を20%とした根拠は正しいか」「水道代を毎月支払う設定でよいか」「相場に比べて経費が低すぎないか」といった点を確認されました。
形式的に数字が埋まっているかではなく、継続して黒字化でき、借入金を完済できる現実的な計画かを見られていると考えられます。これは個別案件の指摘例であり、すべての申請で同じ質問が出るという意味ではありません。
新宿区の疎明書を作成する流れ
疎明書の修正を減らすための注意点
疎明書だけをきれいに作っても、申請図面、定員、管理委託、融資資料等と内容が違えば、追加説明や修正が必要になります。特に工事・設備・ベッド数・運営体制を変更したときは、疎明書を含む申請資料全体を見直してください。
疎明書の提出が遅れると、学校等照会そのものを始められない場合があります。内容を理解しないまま作成すると、細かな指摘と再提出が重なり、個別案件では約1か月遅れたこともありました。
別の顧客では、申請準備を含めて開業まで5か月かかり、月30万円、合計150万円の空家賃が発生しました。これは個別案件の結果ですが、5万円の作成費だけでなく、手戻りで失う時間と空家賃を含めて判断する必要があります。
- 学校等の名称と距離を、地図の名称ピンだけで決めない
- 事業計画の数字と融資資料・返済計画を一致させる
- 管理者、駆け付け、苦情窓口の役割を曖昧にしない
- 通学路や車両動線など、現地でしか分からない事情を確認する
- 行政から追加質問があった場合、推測で回答せず資料を再確認する
自分で作成するか、行政書士へ依頼するか
物件・運営・資金の情報がすでに整理され、保健所から求められた内容も明確なら、自社で作成する選択肢があります。一方、様式がなく、どこまで書くべきか分からない場合や、複数資料の内容を合わせる必要がある場合は、旅館業申請を扱う行政書士へ依頼した方が手戻りを抑えやすくなります。
民泊GOでは、新宿区の学校等照会に使用する疎明書を5万円(税別)で作成します。独自のひな形を使い、1時間のヒアリングで事実関係を確認したうえで、通常は1週間を目安に提出用PDFを納品します。事業計画の準備状況により、納期が延びる場合があります。
よくある質問
新宿区で旅館業をする場合、疎明書は必ず必要ですか?
必ずではありません。新宿区の公式手引では、旅館業法第3条第4項に基づく照会が必要な場合の書類として疎明書を挙げています。物件周辺の対象施設と距離を保健所へ確認してください。
疎明書を提出すれば、旅館業許可は取れますか?
提出だけで許可が保証されるものではありません。疎明書、図面、見取図、運営・安全対策、照会先の意見、建築・消防等を含めて審査されます。
保健所に書き方を聞けば教えてもらえますか?
必要な観点や不足事項を案内されることはありますが、申請者に代わって完成文を作ってもらえるわけではありません。相談前に、物件・運営・事業・資金の事実を整理しておくと協議しやすくなります。
まだ融資が確定していなくても作成できますか?
現時点で確定している資金調達方法と未確定事項を分けて整理します。事実と異なる数字を作らず、計画が変わった場合は提出前に更新します。
納品までどのくらいかかりますか?
1時間程度のヒアリング後、通常は1週間を目安にPDFで納品します。売上、経費、借入条件等の事業計画が未確定の場合は、確認に必要な期間が追加されることがあります。
まとめ|疎明書は、事業全体を一つの説明にする書類
新宿区の学校等照会で求められる疎明書は、公開テンプレートに定型文を入れるだけの書類ではありません。経営主体、経営目的、施設、運営、安全対策、事業・資金計画を、物件固有の事実に合わせて説明します。
作成前に照会対象と行政の確認事項を整理し、図面や事業資料と矛盾しない状態で提出してください。
参考にした公的一次情報
著者


行政書士 渡邊 雄一郎
トライアド行政書士事務所代表。法科大学院修了・法務博士・行政書士。民泊専門サービス「民泊GO」を運営し、住宅宿泊事業の届出、旅館業許可、特区民泊を中心に、消防・建築・近隣対応まで含めた民泊の立ち上げ支援を行っています。

