東京23区の民泊・旅館業の駆けつけ要件|10分・人数・常駐の違い

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東京23区なら、どの区でも10分以内に一人が駆けつければよいですか?

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同じではありません。公表基準で常駐や3人以上を求める区があるほか、弊所案件では3人・4人の勤務体制を求められた例もあります。制度と申請時期も分けて確認します。

東京23区の駆けつけ要件は、「10分以内・一人」で統一されていません。旅館業か住宅宿泊事業か、玄関帳場を置くか、自治体、申請時期、新規・既存施設の別によって結論が変わります。

  • 区名だけでなく、営業制度とフロント・常駐の有無を確認する
  • 時間、距離、移動手段、人数、勤務シフトを別々に確認する
  • 2026年に改正された区は、施行日と経過措置を確認する

申請前に、施行日と最新の区資料を確認してください。この記事では、2026年9月1日時点で確認できる公式資料と、民泊GOの申請実務を分けて整理し、公表資料で人数等を確認できない区は推測せず「個別確認」としています。

結論|東京23区は同じ条件ではない

23区の公表資料と弊所実務を確認すると、大きく次の類型に分かれます。

  • 常駐を原則とする区:千代田区、中央区、台東区、荒川区のほか、2026年に墨田区、江東区、渋谷区、葛飾区が新規施設等を常駐へ変更
  • 現在は代替設備と駆けつけを認める区:港区、新宿区、文京区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、中野区、豊島区、北区、板橋区、足立区、江戸川区等
  • 現在の常駐場所に独自条件がある区:練馬区は同一敷地・隣接敷地等で直ちに到着できる場合に例外あり
  • 常駐化の改正を検討中の区:文京区、目黒区、大田区、中野区、豊島区
  • 公表資料だけで細部を確定できない区:杉並区等は保健所への個別確認が必要
要注意

上の分類は、すべての営業形態に一律適用される一覧ではありません。例えば千代田区は、旅館業では玄関帳場と従業員常駐を求める一方、住宅宿泊事業の管理者駆けつけ型には半径700m以内かつ10分以内という別の基準があります。

比較表の読み方

表の「公表内容」は、公式サイト・条例・手引・様式から確認できる旅館業の主な内容です。「弊所実務」は、公表資料に書かれていない個別協議の経験であり、すべての案件に同じ結論を保証するものではありません。

また、住宅宿泊事業では登録住宅宿泊管理業者への委託、苦情対応、各区の上乗せ条例が別に関係します。旅館業の約10分をそのまま使いません。

東京23区の駆けつけ要件比較

表は横にスクロールできます。
旅館業の公表内容 人数・実務上の注意
千代田区 玄関帳場と従業員常駐を要求 住宅宿泊事業の駆けつけ型とは基準が別
中央区 玄関帳場を設け、施設内に従業員を常時配置 駆けつけだけの代替を前提にしない
港区 玄関帳場代替で通常おおむね10分程度 弊所案件では最低3人・24時間シフト
新宿区 代替設備と緊急時の駆けつけ体制を要求 2026年夏以降の弊所案件では4人・勤務シフト
文京区 現在は代替設備と徒歩おおむね10分程度の体制が可能 施設内常駐等を求める改正骨子案を公表。現行ルールと混同しない
台東区 営業時間中、施設内に従業員を常時配置 防犯カメラ等を置いても常駐は省略できない
墨田区 2026年4月1日以降の新規申請は営業施設内等に従事者が常駐 施行日前に受理された申請・既存施設は経過措置を確認
江東区 2026年7月1日以降の新規申請は施設内常駐 施行日前に受理された申請は従前規定。弊所の実歩行例は改正前
品川区 玄関帳場を置かない場合の代替設備と駆けつけ体制を様式で確認 公表資料に一律の所要時間はなく、拠点・移動方法・時間を個別協議
目黒区 現在は代替設備、代替施設、緊急時対応による運用が可能 新規施設を常駐へ変更する条例改正案を公表。施行は未確認
大田区 現在は徒歩10分以内、電話対応者・駆けつけ従事者を各3人以上 新規施設の玄関帳場常駐化を含む改正案が意見募集段階
世田谷区 玄関帳場代替設備と駆けつけ体制による運用が可能 公表様式に移動方法・所要時間を記載。具体基準は個別確認
渋谷区 2026年7月1日以降の新規申請は施設・同一敷地・隣接敷地での常駐が原則 区長が常駐不要と認める例外規定はあるが、公表された客観基準は未確認
中野区 現在は代替設備と駆けつけ体制による運用が可能 新規施設の常駐化を検討。2027年4月施行を目標とする案
杉並区 公表資料だけで細部を確定できず 個別確認
豊島区 現在は代替設備を用いる無人運用が可能 従業員常駐を求める条例改正方針を公表。現行ルールと混同しない
北区 無人小規模施設等の条件下で原則おおむね10分 一定の警備会社契約は25分以内の取扱いあり。適用条件を確認
荒川区 営業時間中の営業従事者常駐を条例で規定 駆けつけだけの代替を前提にしない
板橋区 代替設備を用いる場合、徒歩で通常おおむね10分程度 管理事務所での面接や解錠同行等、代替設備以外の条件も確認
練馬区 営業時間中の常駐が原則 同一・隣接敷地又は幅6m以下の道路を挟む建物に常駐し、直ちに到着できる場合等は例外
足立区 玄関帳場代替設備と駆けつけ体制による運用が可能 公表様式に一律の時間基準はなく、待機場所と体制を個別確認
葛飾区 2026年4月1日以降の新規申請は宿泊者がいる間の従業員常駐が原則 同一建物・同一敷地内等の常駐場所と経過措置を確認
江戸川区 現在は代替設備とおおむね10分・約800mの駆けつけ体制が可能 旅館業の常駐化改正は公式資料で確認できず。住宅宿泊事業の改正と混同しない

「個別確認」とした区は、要件がないという意味ではありません。公表資料だけで人数や移動方法まで確定できないため、図面と運営案を示して確認する区分です。この比較表は2026年9月1日時点の確認結果であり、申請前に最新の手引・条例・運用を再確認してください。

施行済みの常駐化と、これからの改正予定を分ける

施行済み|墨田・江東・渋谷・葛飾は新規施設等を常駐へ

墨田区と葛飾区は2026年4月1日、江東区と渋谷区は同年7月1日に、新規施設等の常駐化を含む改正を施行しました。常駐場所の範囲や経過措置は区ごとに異なるため、「常駐」の一語だけで判断せず、申請受理日と施設の位置関係を確認します。

改正案・検討段階|文京・目黒・大田・中野・豊島

文京区、目黒区、中野区、豊島区は、新規施設等へ従業員常駐を求める方向の改正案・方針を公表しています。大田区も、新規の旅館業施設へ玄関帳場と従業員常駐を求める改正骨子案について、2026年8月15日から9月4日まで意見を募集しています。

これらは2026年9月1日時点では、すべてを施行済みの現行ルールとして扱うことはできません。現在の申請に使える代替設備の条件と、将来施行される可能性がある常駐要件を分けて確認します。

大田区|現在の10分・3人体制と、次の改正案が併存

大田区の現行ガイドラインでは、玄関帳場を置かない施設について、徒歩10分以内と、電話対応者・駆けつけ従事者をそれぞれ3人以上確保する基準が示されています。一方、次の改正骨子案では、新規の旅館業施設に玄関帳場と従業員常駐を求める方向が示されています。現在の基準と将来案を一つの「2026年改正」としてまとめないことが重要です。

渋谷区|例外規定はあるが、約10分なら免除されるわけではない

渋谷区は、2026年7月1日以降の新規申請について、営業従事者を施設、同一敷地内又は隣接敷地内に常駐させることを原則としています。条例には「区長が常駐させる必要がないと認めるとき」の例外規定がありますが、2026年9月1日時点で、その判断に使う客観的な公開基準は確認できません。

玄関帳場の代替設備に関する「通常おおむね10分程度で到着する」という条件は、常駐免除の例外規定とは別の要件です。約10分以内だから自動的に常駐が免除されるとは読めないため、例外を検討する案件は、根拠資料と運営計画を示して区へ個別協議します。

台東区・江戸川区|別の改正情報と混同しない

台東区は現在すでに施設内常駐が必要です。2026年10月1日施行の改正は、違反時の指導・勧告等に関するもので、駆けつけから常駐へ変更する改正ではありません。

江戸川区は、現行の旅館業手引で代替設備と約10分・約800mの駆けつけ体制を示しています。2026年9月1日時点では、旅館業を常駐化する施行済み改正又は具体的な改正予定を公式資料で確認できませんでした。住宅宿泊事業側の改正情報を旅館業へ読み替えないようにします。

ワンポイントアドバイス

過去の記事や他社案件の回答を使う場合は、回答日と申請時期を確認してください。2026年は複数区で制度が変わっており、前年に認められた体制が新規申請では使えない可能性があります。

公表資料にない実務運用|新宿区・港区・江東区

新宿区|2026年夏以降の弊所案件で4人体制

新宿区の平屋戸建て旅館業案件で、4人の担当者を求められました。建物規模に応じて一人へ減らす扱いではなく、1日8時間・週40時間を前提として24時間を埋める勤務シフトの説明を求められました。

4人という人数は公表資料で確認できないため、法令上の一律人数ではなく、2026年夏以降の弊所案件で示された運用として掲載しています。

港区|弊所案件で最低3人と24時間シフト

港区の弊所案件では最低3人を配置し、24時間いつでも対応できる勤務シフトを求められました。Googleマップの経路図を提出し、旅館業施設と駆けつけ拠点の双方が現地確認の対象になりました。

江東区|提出ルートを担当者と実際に歩いた

条例改正前の弊所案件では、Googleマップで提出したルートを保健所担当者と実際に歩き、約10分以内かを確認しました。2026年改正後の新規施設は常駐義務へ変わっているため、この事例を現在の新規申請へそのまま当てはめることはできません。

住所が決まった後の確認手順

STEP 1
営業制度と申請時期を決める
旅館業、住宅宿泊事業、特区民泊と、新規・既存・変更の別を確認します。
STEP 2
該当する公式資料を確認する
最新の条例、規則、手引、申請様式、改正日、経過措置を確認します。
STEP 3
運営案を作る
フロント・常駐の有無、担当者、待機拠点、移動手段、勤務シフトを決めます。
STEP 4
資料を示して保健所へ確認する
経路図、体制図、契約案、シフト表を示し、時間・人数・現地業務を確認します。
STEP 5
契約と申請資料を一致させる
回答内容を契約書と申請資料へ反映し、実際の勤務体制を変更しないよう管理します。

担当者の具体的な探し方は、次の記事で解説します。

代行会社を使う場合は、契約範囲と行政資料への協力を比較してください。

まとめ|「東京は10分」と一括りにしない

  • 旅館業と住宅宿泊事業では、駆けつけの位置付けが異なる
  • 2026年に墨田・江東・渋谷・葛飾が新規施設等を常駐へ変更した
  • 文京・目黒・大田・中野・豊島は改正案・方針と現行基準を分けて読む
  • 大田区の現行基準は徒歩10分・電話対応者と駆けつけ従事者を各3人以上
  • 渋谷区の常駐例外は公開された客観基準がなく、約10分だけでは判断できない
  • 新宿区4人、港区3人等、公表資料にない弊所実務例がある
  • 申請時期、経過措置、運営案を示して個別確認する

参考にした公的一次情報

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