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行政書士
旅券確認の対象は「外国人全員」ではなく、日本国内に住所を有しない外国人宿泊者です。対象者については、国籍と旅券番号を宿泊者名簿へ記載し、旅券の提示を求め、写しを保存する運用を整えます。
無人・非対面チェックインでも考え方は同じです。旅券の画像を受け取るだけで終わらず、本人照合から保存・提示までを一つの手順にしてください。
最初に、日本国内の住所があるかを確認する
外国籍であることだけを理由に、全員へ一律に旅券の写しを求めるのではありません。まず、日本国内に住所を有するかを確認します。
| 宿泊者 | 宿泊者名簿 | 旅券の取扱い |
|---|---|---|
| 日本国内に住所がある外国人 | 営業制度ごとの通常の記載事項を記録 | 国が示す旅券写し保存の取扱いは、国内に住所を有しない外国人が対象 |
| 日本国内に住所がない外国人 | 通常項目に加え、国籍と旅券番号を記録 | 旅券の提示を求め、写しを保存する |
宿泊者が外国人であるという見た目や言語だけで判断しないでください。予約・チェックインの画面で国内住所の有無を確認し、対象者だけ追加手続へ進める設計が必要です。
パスポート確認は、提示・照合・記録・保存の順で行う
旅券画像をアップロードしてもらうだけでは、画像の人物と実際の宿泊者が一致するかを確認できません。対面でも非対面でも、次の順番を固定します。
国内住所の有無と、実際に泊まる人全員を確認します。
旅券の顔写真、氏名、旅券番号など、必要な情報を確認できる状態にします。
テレビ電話等を使う場合も、顔と旅券情報を判別できる画角・画質を確保します。
代表者だけでなく、対象となる宿泊者全員分を処理します。
紙又は電子で、誰が閲覧できるか、どこに保存するかを決めます。
宿泊者名簿の制度別項目、全員分の記載、3年保存は、次の記事でまとめています。
電子保存は可能だが、取得した画像を放置しない
旅券の写しは、電子データとして保存する運用も考えられます。厚生労働省の通知では、電子計算機等に保存した旅券の写しを必要に応じて確認できる取扱いが示されています。
- 旅券の必要部分が鮮明に読み取れる
- 宿泊者本人と旅券の人物を照合した記録が残る
- 宿泊者名簿の該当者と旅券画像を結びつけられる
- 閲覧できる担当者を必要な範囲に限定する
- 委託先・システム会社とのデータ取扱いを確認する
- 保存期間中にシステムを解約してもデータを保持できる
- 行政から求められた場合に速やかに提示できる
メールやチャットに旅券画像が残り続ける運用は、必要以上の担当者が閲覧できる状態になりやすいため、保存先へ移した後の削除・権限管理も決めてください。
旅券の写しは宿泊者名簿とともに保存します。宿泊者名簿は作成の日から3年間保存するため、写しも該当する名簿と結びつけ、保存期間中に確認できる状態を保ちます。
旅券の提示を拒否された場合は、理由を説明し、対応を記録する
対象となる外国人宿泊者へ旅券の提示を求める際は、法令に基づく宿泊者名簿の作成と、国の通知で示された取扱いによるものであることを、分かる言語で説明します。
それでも提示が得られない場合は、厚生労働省の通知に沿い、国の指導による取扱いであることを説明して再度提示を求めます。さらに拒否される場合は、旅券不携帯の可能性があるものとして最寄りの警察署へ連絡するなど、通知に沿った対応を取ります。経過は記録し、現場担当者が独断で強制的な確認や不適切な対応をしないよう、責任者への連絡手順を用意します。
予約後の案内で、国内住所の有無、対象者に旅券提示が必要な理由、チェックイン時に使う方法をあらかじめ伝えると、現地で初めて説明するより混乱を減らせます。
旅券確認とは別に、到着前案内、ハウスルール、ごみ・騒音など滞在中の外国人ゲスト対応も準備します。
無人チェックインでは、本人確認と鍵の発行を切り離さない
旅券画像の送信前や本人照合前に、スマートロックの暗証番号が自動送信される設定では、確認未完了のまま入室できる状態が生まれます。
確認が完了した後に鍵を発行し、不鮮明・不一致・未提出の場合は発行を止められるようにします。テレビ電話やICTでの本人確認、確認できない場合の現地対応は次の記事で確認してください。
まとめ|「外国人だから」ではなく、国内住所の有無から手順を分ける
日本国内に住所を有しない外国人宿泊者については、国籍・旅券番号を名簿へ記載し、旅券の提示を求め、写しを保存する運用を整えます。
無人チェックインでは、対象者の切り分け、本人との照合、全員分の名簿、旅券画像の保存、鍵の発行を一つの流れにしてください。自治体や営業制度に応じた確認も、システム発注前に行います。
参考にした公的一次情報
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著者


行政書士 渡邊 雄一郎
トライアド行政書士事務所代表。法科大学院修了・法務博士・行政書士。民泊専門サービス「民泊GO」を運営し、住宅宿泊事業の届出、旅館業許可、特区民泊を中心に、消防・建築・近隣対応まで含めた民泊の立ち上げ支援を行っています。


