「民泊向けの保険に入りたいが、告知義務違反にならないか心配。加入時に何を伝えておけばいいのか知りたい。」
保険契約には、契約者が重要な事実を保険会社に正確に伝える「告知義務」があります。民泊のように用途が特殊な運営では、この告知を怠ったり誤った内容を伝えたりすると、いざという時に保険金が支払われないおそれがあります。この記事では告知義務違反にならないための注意点を解説します。
告知義務とは何か
保険法上、契約者には重要事項を正確に伝える義務がある
保険法では、保険契約者や被保険者は、保険会社が求める重要な事項について、事実を正確に告げる義務(告知義務)を負うと定められています。告知義務に違反した場合、保険会社は契約を解除できるほか、事故が発生していても保険金が支払われない可能性があります。
民泊運営者が特に注意すべき告知事項
建物の用途が「住宅」ではなく「民泊利用」であることを明確に伝える
一般的な火災保険や施設賠償責任保険では、契約時に建物の使用目的(居住用か、事業用かなど)を申告する項目があります。実際には有償で不特定多数の宿泊者を受け入れているにもかかわらず、「居住用」として契約したままにしていると、告知義務違反とみなされ、いざ事故が起きた際に保険金を受け取れないおそれがあります。
家主居住型か家主不在型かも重要な告知事項になり得る
家主が同居しているかどうかは、事故発生時の初期対応の速さやリスクの大きさに関わるため、保険会社によっては重要な告知事項として扱われる場合があります。運営形態を変更した場合(家主居住型から家主不在型への変更など)は、契約時の告知内容と実態がずれてしまうため、保険会社への連絡が必要です。
契約後に運営状況が変わった場合の対応
「通知義務」も忘れずに対応する
契約時の告知だけでなく、契約後に危険の程度が著しく増加した場合には、契約者から保険会社への「通知義務」が生じることがあります。例えば、旅館業許可への切り替えで宿泊者数の上限が変わった場合や、運営形態を変更した場合は、契約している保険会社に速やかに連絡し、補償内容の見直しが必要かどうかを確認することが重要です。
賃貸物件では貸主への告知も忘れずに
貸主に無断で民泊利用を開始しないこと
賃貸物件の場合、保険会社への告知に加えて、貸主に対しても民泊利用について事前に告知し、承諾を得ておくことが重要です。賃貸借契約の内容によっては、無断での転貸や用途変更にあたり契約解除事由となる場合もあるため、保険加入の前提として貸主との合意形成を済ませておく必要があります。
まとめ
- 保険法上、契約者は重要事項を正確に告知する義務があり、違反すると保険金が支払われないおそれがある
- 建物の用途を「居住用」のままにせず、民泊利用であることを明確に告知することが最も重要なポイント
- 家主居住型・家主不在型の別も重要な告知事項になり得るため、運営形態の変更時は保険会社に連絡する
- 契約後に危険が増加した場合の通知義務も忘れずに対応し、補償内容の見直しを行う
- 賃貸物件では保険会社への告知に加え、貸主への事前告知・承諾も忘れずに済ませておく
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監修者


渡邊 雄一郎
トライアド行政書士事務所代表。法科大学院修了・法務博士・行政書士。民泊専門サービス「民泊GO」を運営し、住宅宿泊事業の届出、旅館業許可、特区民泊を中心に、消防・建築・近隣対応まで含めた民泊の立ち上げ支援を行っています。


