「新宿区で民泊を始めたいが、平日は営業できないと聞いた。具体的に何曜日の何時から何時まで営業できるの?住居専用地域以外ならこの制限は関係ない?」
新宿区の上乗せ条例による民泊の営業時間制限は、住居専用地域に所在する物件に限って適用されます。制限の内容を正確に理解することで、収益シミュレーションの精度が上がり、適切な運営計画を立てられます。
新宿区上乗せ条例の具体的な内容
住居専用地域での営業禁止期間
新宿区の条例では、住居専用地域(第一種・第二種低層住居専用地域および第一種・第二種中高層住居専用地域)において、民泊新法の届出での営業に以下の制限が設けられています。
- 営業禁止期間:月曜日の正午(12:00)から金曜日の正午(12:00)まで
- 営業可能期間:金曜日の正午から月曜日の正午まで(週末・祝日前後を含む)
年間の実質的な営業可能日数の目安
この条件で年間を通じて稼働した場合、最大でも年間約104日程度(52週分の週末)しか営業できないことになります。国が定める年間180日という上限に対し、住居専用地域の物件では実質的に半分程度の営業日数にとどまる点を、収益計画の前提として押さえておく必要があります。
住居専用地域以外への制限の適用
商業地域・住居地域では時間制限は適用されない
新宿区の上乗せ条例による営業時間制限は、住居専用地域に限定されています。商業地域・近隣商業地域・住居地域・準住居地域・準工業地域など、住居専用地域以外の用途地域に所在する物件については、この時間制限は適用されません。
住居専用地域以外の物件で民泊新法の届出をした場合は、民泊新法が定める年間180日以内の制限の範囲内で、平日・休日を問わず営業することが可能です。新宿区内でも歌舞伎町周辺・新宿駅周辺など商業地域に多い物件では、こうした制限を受けません。
旅館業許可を取得した場合の扱い
旅館業許可は上乗せ条例の対象外
旅館業許可(簡易宿所)を取得した施設は、民泊新法の上乗せ条例の適用対象外です。つまり、旅館業許可を取得した物件であれば、住居専用地域に所在していても上乗せ条例による営業時間制限を受けません。ただし、住居専用地域では旅館業許可の取得自体が原則として認められていないため、実際には商業地域・住居地域などの物件で旅館業許可を取得することで、時間制限なしの通年営業を実現することになります。
営業時間制限を踏まえた収益シミュレーションの考え方
最大営業日数を前提に、OTA手数料等を差し引いた手残りで判断する
住居専用地域で週末のみ営業する場合、まず年間の最大営業日数(約104日)を前提とした売上の概算を立て、そこからOTA手数料・清掃費・ごみ回収費・管理委託費などのランニングコストを差し引いた手残りを試算することが、投資判断の基本になります。単価や稼働率は物件・エリアによって大きく異なるため、具体的な数字は個別の物件診断で確認することをおすすめします。
まとめ
- 住居専用地域では月曜正午〜金曜正午の営業が禁止(実質週末のみ・年間約104日が上限の目安)
- 商業地域・住居地域など住居専用地域以外では時間制限は適用されない
- 旅館業許可を取得すれば上乗せ条例の時間制限を受けないが住居専用地域では取得不可
- 収益シミュレーションは最大営業日数とランニングコストの両方を踏まえて行う
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監修者


渡邊 雄一郎
トライアド行政書士事務所代表。法科大学院修了・法務博士・行政書士。民泊専門サービス「民泊GO」を運営し、住宅宿泊事業の届出、旅館業許可、特区民泊を中心に、消防・建築・近隣対応まで含めた民泊の立ち上げ支援を行っています。


