「安く手に入れた物件が工業専用地域にあった。民泊は絶対に無理なのかな?」
用途地域の中でも「工業専用地域」は、住宅や宿泊施設の建設・営業が法律で厳しく制限されるエリアです。民泊を始めたいと考えている方にとって、工業専用地域の物件は大きなハードルになります。
本記事では、工業専用地域で民泊ができるのかどうか、そして用途変更が可能なケースと不可能なケースを行政書士の視点から解説します。
工業専用地域とはどんなエリアか
工場・倉庫のための専用エリア
工業専用地域は、都市計画法で定められた13種類の用途地域のうち、最も工業用途に特化したエリアです。大規模な工場や危険物を扱う施設の建設が認められている一方で、住宅や宿泊施設は建設することができません。
工業専用地域で建設できないもの
- 住宅(一戸建て・マンション・アパートすべて)
- ホテル・旅館・民泊施設
- 学校・病院・図書館などの公共施設
- 店舗(一部例外あり)
つまり工業専用地域では、そもそも宿泊施設として建物を使用することが法律で禁止されています。
工業専用地域で民泊は100%無理なのか
原則として民泊の許可は下りない
工業専用地域に立地する物件では、旅館業許可も民泊新法の届出も原則として認められません。理由は単純で、「宿泊施設として使用できない用途地域」だからです。いくら建物の設備を整えても、用途地域の制限がある限り許可を取得することはできません。
既存の建物が住宅として使われていた場合は?
工業専用地域でも、都市計画変更前から住宅として使用されていた「既存不適格建築物」が存在する場合があります。しかしこのような建物でも、用途を「宿泊施設」に変更することは認められないケースがほとんどです。
用途変更ができるケースとできないケース
用途変更が「できない」ケース
- 工業専用地域に立地している物件を宿泊施設に変更する場合:原則不可
- 用途地域の変更(工業専用→住居系)は個人の意思ではできない。都市計画の変更は自治体が行うもの
- 建物を民泊として使うために用途変更申請を出しても、工業専用地域では受理されない
用途変更が「できる」可能性があるケース
ただし、以下のような例外的なケースでは、用途変更や民泊運営の可能性がゼロではない場合もあります。
- 準工業地域の場合:工業専用地域と似た名称ですが別の用途地域。住宅・宿泊施設の建設が可能なため民泊ができる
- 都市計画区域外の場合:用途地域の制限がないエリアでは民泊が可能な場合がある
- 特区民泊の場合:国家戦略特区の認定を受けたエリアでは、通常の規制が緩和されるケースがある
物件契約前に必ず確認すべきこと
- 物件の用途地域を正確に確認する(工業専用地域と準工業地域を混同しない)
- 用途地域が「準工業地域」であれば民泊が可能かもしれないため専門家に相談する
- 都市計画区域外かどうかを確認する
- 工業専用地域と判明した場合は民泊以外の活用方法を検討する
まとめ
工業専用地域では原則として民泊の許可を取得することはできません。用途地域の制限は建物の設備や申請内容で回避できるものではなく、まず物件の用途地域を正確に確認することが最優先です。
- 工業専用地域では宿泊施設の営業は原則禁止
- 用途地域の変更は個人の意思ではできない
- 準工業地域・都市計画区域外なら民泊が可能な場合がある
- 物件契約前に用途地域を必ず確認し、専門家に相談する
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