「気に入った物件があるけど、近くに学校がある。民泊を始めようとしたら学校から100m以内だとNGと聞いたんだけど、本当?」
旅館業の許可申請において、学校などの教育施設や福祉施設との距離が問題になる ケースがあります。ただし、「学校から100m以内は絶対にNG」というわけではなく、実際には都道府県や自治体によって取り扱いが異なります。
本記事では、旅館業法における「照会」制度の実態と、学校周辺の物件で民泊を始めるための対策を行政書士の視点から解説します。
旅館業法における「学校」との距離規制とは
旅館業法が定める施設との距離制限
旅館業法では、旅館業の営業許可を申請する際に、学校・病院・児童福祉施設などの「清純な施設」との距離が考慮される場合があります。具体的な距離は都道府県の条例によって定められており、一般的に「100m以内」が基準とされることが多いですが、自治体によって異なります。
- 対象施設の例:小学校・中学校・高校・幼稚園・保育園・病院・図書館・児童福祉施設など
- 距離の基準:多くの自治体で100mを基準にしているが、50mや200mの自治体もある
- 「直線距離」か「道路距離」かも自治体によって異なる
民泊新法(住宅宿泊事業法)の場合はどうなるか
民泊新法(住宅宿泊事業法)による届出の場合は、旅館業法の距離制限は直接適用されません。ただし、自治体の条例によって独自の制限が設けられているケースがあるため、必ず管轄の窓口に確認が必要です。
「照会」とは何か
旅館業許可申請で行われる照会の仕組み
旅館業の許可申請を行うと、保健所が申請された物件の周辺にある学校・病院などの施設に対して「この場所で旅館業を営んでも問題ないか」を確認する手続きを行います。これが「照会」です。
- 照会先の施設が同意すれば、距離基準内でも許可が下りる場合がある
- 照会先の施設が反対すれば、許可が下りない可能性がある
- 照会の結果は施設の判断によるため、必ずしも「100m以内=NG」ではない
照会でOKをもらうためのポイント
照会を受けた学校や病院が同意するかどうかは、その施設の方針や物件の運営内容によって異なります。以下のような要素が同意を得やすくするポイントになります。
- 民泊の運営方針(騒音対策・ゲストへのルール説明など)を丁寧に説明する
- 近隣への影響を最小限にする具体的な対策を提示する
- 施設の担当者に直接挨拶・説明の機会を設ける
学校周辺の物件で民泊を始めるための対策
事前に保健所へ相談する
物件契約前に管轄の保健所に相談し、「この住所で旅館業の許可申請をした場合、照会が必要な施設はあるか」「照会の結果次第で許可が下りない可能性はあるか」を確認しておきましょう。
民泊新法(届出制)での運営を検討する
旅館業許可の距離制限が問題になる場合は、距離制限が直接適用されない民泊新法での届出を検討することも一つの選択肢です。ただし、民泊新法には年間180日の営業制限があるため、収益性のシミュレーションが必要です。
物件契約前に必ず確認すべきこと
- 物件周辺に学校・児童福祉施設がないか地図で確認する
- 管轄の保健所に照会が必要な施設の有無と距離基準を確認する
- 旅館業許可と民泊新法のどちらが適切か専門家に相談する
- 照会が必要な場合、施設への事前説明の準備を行う
まとめ
学校から100m以内の物件が旅館業の許可取得に不利になるケースがありますが、照会制度によって施設の同意が得られれば許可が下りる場合もあります。物件契約前に保健所への相談と専門家のアドバイスを受けることが重要です。
- 学校・病院などから一定距離内では旅館業許可に照会が必要になる場合がある
- 照会先の施設が同意すれば距離基準内でも許可が下りる可能性がある
- 民泊新法では距離制限が直接適用されないケースが多い
- 物件契約前に保健所への事前相談が必須
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