「古民家を民泊にしたいと思っているけど、建物が古くて図面が残っていない。こういう場合はどうすればいいの?」
築年数が古い物件は、建築当時の図面が紛失しているケースが珍しくありません。しかし民泊の許可申請には図面の提出が必要なため、「図面がないから申請できない」と諦めてしまう方も多いのではないでしょうか。
実は、図面がない場合でも「現況図」を作成することで許可申請を進めることができます。本記事では、行政書士が実際に行う現況図の作り方と、古民家ならではの注意点を解説します。
そもそも民泊の申請になぜ図面が必要なのか
許可申請で提出が求められる図面の種類
民泊の許可申請(旅館業・民泊新法いずれも)では、以下のような図面の提出が求められます。
- 各階平面図:各部屋の配置・用途・面積がわかる図面
- 配置図:建物の敷地内での位置関係を示す図面
- 立面図:建物の外観を示す図面(旅館業許可の場合)
これらの図面は、客室の広さや避難経路の確認、消防設備の設置位置確認などに使用されます。
図面がない場合はどうなるのか
古い建物では建築時の図面が残っていないことがよくあります。この場合、申請者が自ら「現況図」を作成して提出することが認められています。現況図とは、現在の建物の状態を実測して作成した図面のことです。
現況図の作り方:行政書士が行う4つのステップ
ステップ①:現地での実測調査
まず建物を実際に訪問し、各部屋の寸法を一つひとつ測定します。
- メジャーやレーザー距離計を使って各部屋の縦・横の長さを計測する
- 天井高・窓の位置とサイズ・扉の位置も記録する
- トイレ・浴室・キッチンなどの設備の配置も確認する
- 廊下・階段の幅も記録する(避難経路の確認に必要)
ステップ②:手書きスケッチの作成
実測した数値をもとに、各階の間取りを手書きでスケッチします。正確な縮尺でなくても構いませんが、各部屋の位置関係・寸法・用途を正確に記録することが重要です。
ステップ③:CADまたは作図ソフトでの清書
手書きスケッチをもとに、CADソフトや作図ソフトを使って正式な図面に仕上げます。行政書士事務所ではCADソフトを使って清書するのが一般的ですが、手書きでも受け付けてもらえる自治体もあります。事前に管轄の保健所に確認してください。
ステップ④:役所・保健所への事前確認
作成した現況図を持参して、管轄の保健所や役所に事前相談を行います。図面の記載内容が申請要件を満たしているかを確認してもらい、必要に応じて修正します。
古民家ならではの注意点
耐震基準の確認が必要
1981年以前に建築された建物(旧耐震基準)は、現行の耐震基準を満たしていない可能性があります。旅館業許可の申請では、建築基準法上の適法性が求められるため、耐震診断や補強工事が必要になるケースがあります。
建築確認済証・検査済証の有無を確認する
古い建物では、建築確認済証や検査済証が手元にない場合があります。これらの書類は役所で調べられることがありますが、見つからない場合は「建築士による調査報告書」で代替できる自治体もあります。事前に管轄の建築指導課に確認してください。
物件契約前に必ず確認すべきこと
- 図面が残っているか売主・管理会社に確認する
- 役所の建築台帳で建築確認の記録を確認できるか調べる
- 現況図の作成に対応できる行政書士に相談する
- 耐震基準を満たしているか建築士に確認してもらう
まとめ
図面がない古民家でも、現況図を作成することで民泊の許可申請を進めることができます。ただし、古民家ならではの耐震基準や建築確認の問題もあるため、専門家のサポートを受けながら進めることが重要です。
- 図面がなくても現況図を作成することで申請できる
- 現況図は実測調査→スケッチ→CAD清書→役所確認の順で作成する
- 古民家は耐震基準・建築確認済証の有無も確認が必要
- 物件契約前に行政書士への相談が必須
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