民泊の定員数はどうやって決まる?床面積から計算する方法

「民泊を始めたいけど、何人まで泊めていいのかがわからない。定員ってどうやって決めるの?床面積と関係あるって聞いたけど…」

民泊の定員数は、自分で好きに決められるわけではありません。旅館業法や住宅宿泊事業法、そして自治体の条例によって、客室の広さに応じた定員の計算方法が定められています。

本記事では、民泊の定員数の決め方と床面積からの計算方法を、行政書士の視点からわかりやすく解説します。

民泊の定員数は法律で決まる

旅館業法における定員の考え方

旅館業(簡易宿所)では、客室の定員について都道府県の条例によって基準が定められています。一般的な基準として「宿泊者1人あたり3.3㎡以上の客室面積」が必要とされており、これをもとに定員を計算します。

計算式:定員(人)= 客室の床面積(㎡)÷ 3.3

例えば、客室の床面積が20㎡の場合:20㎡ ÷ 3.3 ≒ 6.06 → 定員6名

重要:この基準は自治体によって異なります。一部の自治体では1人あたり3.3㎡より厳しい基準(例:4㎡以上)を設けている場合があります。必ず管轄の保健所に確認してください。

民泊新法(住宅宿泊事業法)における定員の考え方

民泊新法でも、旅館業法と同様に床面積基準が設けられており、宿泊者が快適・安全に過ごせる広さを確保することが求められます。

実務上は、住宅宿泊事業も法令上規定があります。

根拠は、住宅宿泊事業法第5条と、それを受けた厚生労働省関係住宅宿泊事業法施行規則・第1号です。

まず、法律本体では、住宅宿泊事業者に対して「各居室の床面積に応じた宿泊者数の制限」等、宿泊者の衛生確保措置を講じる義務を置いています。
これが住宅宿泊事業法第5条(宿泊者の衛生の確保)です。条文上は「厚生労働省令で定めるもの」と委任しています。
その委任を受けて、厚生労働省関係住宅宿泊事業法施行規則が、次のように定めています。

一 居室の床面積は、宿泊者一人当たり三・三平方メートル以上を確保すること。

定員計算で使う「客室面積」の注意点

客室面積に含まれるもの・含まれないもの

定員計算に使う「客室面積」は、必ずしも部屋全体の面積ではありません。以下の点に注意が必要です。

  • 含まれる:ゲストが宿泊・生活に使用する居室部分の面積
  • 含まれないケースがある:クローゼット・押し入れなどの収納スペース、天井高1.4m以下のロフト(物置扱い)
  • 複数の客室がある場合:各客室の面積を合算するのではなく、客室ごとに定員を計算する

実測面積と登記面積の違いに注意

建物の登記に記載されている床面積(壁の中心線で計測する壁芯面積)と、実際に使用できる内側の面積(内法面積)は異なります。定員計算には実際に使用できる内法面積を使用してください。

定員を決める際に考慮すべき他の要素

トイレ・浴室の数

旅館業法では、トイレの数も定員に影響します。一般的な基準として「宿泊者5名以下につきトイレ1か所」が求められており、トイレが1つしかない場合は定員5名以内になるケースが多いです。

消防法上の収容人数

消防設備の設置基準は、物件の収容人数によって変わります。定員を増やすほど消防設備の基準が厳しくなる場合があるため、消防署への事前相談も忘れずに行ってください。

自治体の上乗せ条例

用途地域や自治体の条例によって、定員の上限が設けられている場合があります。

定員計算の具体例

ケース①:20㎡の1Kマンション

  • 客室面積:20㎡
  • 計算:20㎡ ÷ 3.3 ≒ 6.06
  • トイレ:1か所
  • 定員:トイレの基準(5名以下)が制限となり、定員5名

ケース②:50㎡の2LDK一戸建て

  • 客室として使用する面積:40㎡(リビング20㎡+寝室20㎡)
  • 計算:40㎡ ÷ 3.3 ≒ 12.1
  • トイレ:1か所
  • 定員:トイレの基準(5名以下)が制限となり、定員5名(トイレ増設で最大12名まで拡大できる可能性あり)

まとめ

民泊の定員数は「客室面積 ÷ 3.3」が基本の計算式ですが、トイレの数・消防法・自治体条例など複数の要素が組み合わさって決まります。自己判断で定員を設定すると後から修正を求められる可能性があるため、専門家への相談が重要です。

  • 旅館業法の一般的な基準は「1人あたり3.3㎡以上」
  • 定員はトイレの数・消防法・自治体条例も影響する
  • 客室面積は収納スペースを除いた内法面積を使用する
  • 定員設定は専門家への確認が必須

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