「民泊をしたいマンションが自分名義なのか賃貸なのかで、手続きが変わるって聞いた。何がどう違うの?」
民泊を始める際、物件が「区分所有マンション(自己所有)」か「賃貸マンション」かによって、必要な手続きと注意点が大きく異なります。どちらの場合も許可や届出は必要ですが、事前に確認・クリアすべき条件が違います。
本記事では、区分所有マンションと賃貸マンションの民泊許可手続きの違いを行政書士の視点からわかりやすく解説します。
区分所有マンションで民泊を始める場合
管理組合の許可が最初のハードル
区分所有マンション(分譲マンション)を所有していても、民泊を始めるためにはまず管理組合の許可が必要です。管理規約に「民泊禁止」の記載がある場合は、規約変更の手続きが必要になります。
- 管理規約に民泊禁止の記載がない場合:管理組合に民泊運営の意向を伝え、許可を得る
- 管理規約に民泊禁止の記載がある場合:区分所有者の3/4以上の賛成で規約変更が必要
- 管理規約に民泊に関する記載がない場合:解釈によって異なるため、管理組合に確認が必要
区分所有マンションの手続きフロー
- ステップ①:管理規約を確認し、民泊の可否を把握する
- ステップ②:管理組合に民泊運営の意向を説明し、許可を得る
- ステップ③:用途地域・消防設備・施設要件を確認する
- ステップ④:旅館業許可または民泊新法の届出を申請する
- ステップ⑤:許可・届出受理後に営業開始
賃貸マンションで民泊を始める場合
オーナー(貸主)の許可が絶対条件
賃貸マンションで民泊を行うためには、まず賃貸借契約のオーナー(貸主)の許可が必要です。オーナーの許可なく民泊を行うことは、賃貸借契約違反となり契約解除・損害賠償請求のリスクがあります。
賃貸マンションで民泊を許可してもらうための交渉ポイント
- 家賃の上乗せを提案する:民泊収益の一部をオーナーに還元する条件を提示する
- 損害保険への加入を証明する:民泊専用保険に加入し、物件への損害リスクをカバーすることを伝える
- 管理体制を説明する:ゲスト審査・清掃管理・近隣対応などの運営方針を具体的に説明する
- 原状回復の保証:退去時に現状回復する旨を契約書に明記する
賃貸マンションの手続きフロー
- ステップ①:オーナーに民泊運営の許可を得る(書面で残す)
- ステップ②:管理組合がある場合は管理組合の許可も得る
- ステップ③:用途地域・消防設備・施設要件を確認する
- ステップ④:旅館業許可または民泊新法の届出を申請する
- ステップ⑤:許可・届出受理後に営業開始
両者に共通する手続き
旅館業許可または民泊新法の届出
区分所有・賃貸に関わらず、民泊を合法的に運営するためには以下のいずれかの申請が必要です。
- 旅館業法(簡易宿所)の許可:保健所に申請。年間営業日数の制限なし。消防設備・衛生設備の基準を満たす必要あり
- 民泊新法(住宅宿泊事業法)の届出:都道府県に届出。年間180日の営業上限あり。手続きが比較的簡便
区分所有と賃貸の違いまとめ
区分所有マンションの場合:
- 管理組合の許可が必要
- 管理規約の変更には区分所有者の3/4以上の賛成が必要
- 自己所有のためオーナーへの許可申請は不要
賃貸マンションの場合:
- オーナー(貸主)の許可が絶対条件
- 管理組合がある場合は管理組合の許可も必要
- オーナーが許可しても管理組合が禁止していればNG
まとめ
区分所有マンションでは管理組合の許可、賃貸マンションではオーナーの許可が最初のハードルです。どちらの場合も、許可を得た後に旅館業許可または民泊新法の届出が必要になります。
- 区分所有:管理規約の確認と管理組合の許可が最初のステップ
- 賃貸:オーナーの書面による許可取得が絶対条件
- 両者共通:旅館業許可または民泊新法の届出が必要
- 手続きの複雑さを考慮して専門家への相談を検討する
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