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住宅宿泊事業の面積には、「居室」「宿泊室」「宿泊者の使用に供する部分」という別々の区分があります。似た言葉ですが、定員、消防、届出書類で使う目的が異なります。
本記事では、3.3㎡と50㎡の判断にどの面積を使うのか、何を含めて測るのかを整理します。
居室・宿泊室・宿泊者の使用に供する部分の違い

| 区分 | 主な用途 | 測り方の基本 |
|---|---|---|
| 居室 | 宿泊者1人当たり3.3㎡の定員計算 | 宿泊者が占有する部分を内寸で算定 |
| 宿泊室 | 消防上の安全措置などの判断 | 宿泊者が就寝する部屋を壁・区画の中心線で算定 |
| 宿泊者の使用に供する部分 | 届出書類上、宿泊者が使う範囲全体を示す | 廊下、台所、浴室等を含む使用範囲 |
一つの面積を三つの欄へ使い回すと、定員や消防設備の判断を誤る可能性があります。同じ平面図でも、目的ごとに色分けしておくと確認しやすくなります。
3㎡の定員計算に使う「居室」
住宅宿泊事業では、居室の床面積について、宿泊者1人当たり3.3㎡以上を確保します。居室は、宿泊者が占有する部分として考え、内寸面積で算定します。算定範囲は観光庁の「事業者の業務[1]」に示されています。
含めない部分
- 宿泊者が占有しない台所、浴室、便所、洗面所、廊下
- 押入れ、床の間
- 通常立ち入れない収納や設備部分
例えば、専有面積40㎡の住戸でも、居室として計算できる面積が26㎡なら、40㎡を3.3で割ることはできません。実測後に想定定員を減らすことがあるのは、この違いが原因です。
消防上の50㎡判断に使う「宿泊室」
宿泊室は、宿泊者が就寝するために使用する部屋です。住宅全体や、宿泊者が立ち入る場所すべてを指すものではありません。
家主居住型の消防上の取扱いでは、宿泊室の床面積合計が50㎡以下かどうかが重要になります。ただし、家主の在不在、戸建て・共同住宅、建物全体の用途など、ほかの条件も合わせて確認します。
消防設備の判断は、次の記事で詳しく説明しています。
図面上で面積を整理する手順
- 各部屋と設備の内寸を実測する
- 宿泊者が占有する居室を色分けする
- 就寝に使う宿泊室を別の色で示す
- 廊下・台所・浴室など使用範囲全体を整理する
- 寝具と最大人数を書き込み、行政・消防へ確認する
定員を減らす場合
顧客が想定する人数は、実測前の概算であることが多くあります。居室面積を正しく算定すると不足が分かり、定員を減らすことがあります。
リビングを宿泊利用する場合
リビングを宿泊者が占有する就寝・滞在部分として計画し、ソファベッドを置くことで定員を増やせる場合があります。ただし、図面、寝具配置、消防・建築、自治体運用の整合が前提です。
よくある質問
登記簿の床面積で計算できますか?
そのままでは計算できません。居室は内寸で測るため、登記面積や販売図面の面積と一致しないことがあります。
寝室ごとに3.3㎡を計算しますか?
宿泊者が占有する範囲や利用形態によって整理が必要です。部屋名だけで機械的に判断せず、宿泊者がどの範囲を占有するかを図面で示してください。
ソファベッドなら面積に関係なく追加できますか?
できません。就寝場所として計画する以上、面積、消防、避難、申請図面との整合を確認します。
まとめ
3.3㎡は「居室」、消防上の50㎡は「宿泊室」で判断します。対象範囲と測り方が異なるため、専有面積や建物全体の床面積だけでは定員を決められません。
総合的な定員の決め方は、ピラー記事も合わせて確認してください。
著者


行政書士 渡邊 雄一郎
トライアド行政書士事務所代表。法科大学院修了・法務博士・行政書士。民泊専門サービス「民泊GO」を運営し、住宅宿泊事業の届出、旅館業許可、特区民泊を中心に、消防・建築・近隣対応まで含めた民泊の立ち上げ支援を行っています。

