旅館業の客室面積と定員の決め方|7㎡・9㎡・3.3㎡の違い

旅館業の客室面積と定員・7㎡・9㎡・3.3㎡の違いを解説するアイキャッチ

旅館業では、客室面積を3.3㎡で割れば定員が決まりますか?

お客様

行政書士

一律には決まりません。7㎡・9㎡は旅館・ホテル営業の1客室の最低面積、3.3㎡は簡易宿所で10人未満の場合の客室延床面積基準です。収容定員は自治体基準も確認します。

旅館業の「7㎡」「9㎡」「33㎡」「3.3㎡」は、同じ定員計算に使う数字ではありません。営業種別と数字の役割を分けないと、物件選びや改修計画を誤ります。

本記事では、旅館・ホテル営業と簡易宿所営業の客室面積基準、実際の定員を固める手順を説明します。

7㎡・9㎡・33㎡・3.3㎡の違い

数字 対象 意味
7㎡ 旅館・ホテル営業 寝台を置かない1客室の最低床面積
9㎡ 旅館・ホテル営業 寝台を置く1客室の最低床面積
33㎡ 簡易宿所営業 原則となる客室延床面積の最低基準
3.3㎡×人数 簡易宿所営業 宿泊者数10人未満で申請する場合の客室延床面積基準

7㎡・9㎡は1人当たりの面積ではありません。また、簡易宿所の3.3㎡を旅館・ホテル営業へそのまま当てはめることもできません。全国共通の最低基準は、厚生労働省の「旅館業の種類と構造設備基準」で確認できます。

客室の最低面積と収容定員は別に確認する

国の構造設備基準を満たした後、自治体の条例・細則・手引にある収容定員の基準を確認します。客室全体の面積と、実際に就寝・滞在へ使える「有効面積」を分ける自治体もあります。

文京区の例

文京区の2026年4月更新の「旅館業のてびき」では、旅館・ホテル営業の収容定員について、客室有効面積3㎡につき1人、簡易宿所営業では1.5㎡につき1人とする区の基準が示されています。これは文京区の例であり、全国共通ではありません。

同じ客室面積でも、通常立ち入らない収納、造り付け家具、水回りなどの扱いによって有効面積が変わることがあります。申請先の現行資料を確認してください。

寝具の種類と配置も図面に反映する

旅館業の客室面積と寝具配置を比較する図
本文の内容を理解するためのイメージです。個別案件の許可可否を示すものではありません。

ベッド、布団、二段ベッド、ソファベッドのどれを使うかによって、客室の使い方と必要面積の説明が変わります。寝具を置けるだけでなく、通路や避難動線、水回りへの移動も確保する必要があります。

要注意
申請後に二段ベッドを追加したり、寝室の壁を撤去したりすると、申請図面・定員・消防・建築の前提が変わる可能性があります。工事業者の提案だけで変更せず、先に行政書士・建築士・消防へ確認してください。

申請後の間取り・設備変更で再工事や再審査が必要となった実務例は、次の記事で詳しく説明しています。

旅館業の定員を決める手順

STEP 1
営業種別を確定する
旅館・ホテル営業か簡易宿所営業かを確認します。
STEP 2
客室の最低面積を確認する
7㎡・9㎡・33㎡・3.3㎡×人数のどれが該当するかを分けます。
STEP 3
有効面積を算定する
自治体の算入・除外ルールに沿って実測します。
STEP 4
寝具と設備を配置する
希望定員に合わせ、寝具、水回り、通路を図面へ落とし込みます。
STEP 5
保健所・消防・建築と整合させる
自治体基準と安全設備を確認し、申請定員を確定します。

想定人数を減らすケース

相談時に「8人泊めたい」と希望されても、実測した有効面積や設備数を確認すると、定員を減らす方が適切な場合があります。人数を先に売上計画へ固定すると、後から収支計画の修正が必要になります。

リビングも就寝場所にするケース

一棟貸しなどでは、リビングにソファベッドを置き、就寝場所として計画することがあります。認められるかは客室区画、有効面積、避難、寝具配置、自治体協議によるため、個別確認が必要です。

面積以外に確認する項目

  • トイレ、洗面、浴室・シャワーの数
  • 換気、採光、照明
  • 避難経路と消防設備
  • 建築基準法上の用途・居室要件
  • 自治体独自の条例・細則

水回り設備数の確認方法は、次の記事で詳しく説明します。

ワンポイントアドバイス
客室面積を最大限使うことと、収益を最大化することは同じではありません。追加設備・消防工事・運営負担まで含めて、採算のよい定員を選びます。

まとめ

旅館・ホテル営業の7㎡・9㎡は1客室の最低面積、簡易宿所の33㎡・3.3㎡×人数は客室延床面積の基準です。実際の定員は、自治体の有効面積基準、寝具、設備、消防・建築を重ねて確定します。

民泊制度全体での定員の違いは、ピラー記事をご覧ください。

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