「民泊の運営中にゲストが部屋の設備を壊してしまった。修理費用をどうやって請求すればいいのか、注意点も含めて知りたい。」
民泊運営では、宿泊中のゲストが家具や設備を破損してしまうトラブルが一定の頻度で発生します。適切な手順を踏まずに感情的に請求してしまうと、かえって回収が難しくなることもあります。この記事では器物破損があった場合の賠償請求の進め方と、注意すべきポイントを解説します。
賠償請求の法的な根拠
宿泊契約上の債務不履行または不法行為に基づく請求が基本
ゲストが故意または過失で設備を破損した場合、宿泊契約に付随する善良な管理者としての注意義務(善管注意義務)に違反したとして債務不履行に基づく損害賠償を請求できるほか、民法上の不法行為責任に基づく請求も可能です。いずれの構成でも、破損の事実と損害額を具体的に示せることが請求を成立させるうえで重要になります。
請求前に行うべき証拠の確保
チェックイン時・チェックアウト時の状態を写真で記録しておく
破損の責任の所在を明確にするためには、チェックイン時点での室内の状態を写真や動画で記録しておき、チェックアウト後に同じ箇所を撮影して比較できるようにしておくことが重要です。破損に気づいた時点で、破損箇所・破損状況・修理見積もりの3点をできるだけ早く記録することが、後の請求をスムーズに進める鍵になります。
客室内へのカメラ・録音機器の設置は避ける
証拠を残したいという理由であっても、宿泊者が滞在する客室内に防犯カメラや録音機器を設置することは、プライバシー侵害にあたるおそれがあり避けるべきです。証拠の確保はあくまでチェックイン前・チェックアウト後の記録と、破損発見時の写真撮影で行うようにしてください。
実際の請求方法
OTAの補償制度を先に確認する
Airbnbのホスト向け補償制度やBooking.comの損害補償制度など、主要なOTAには宿泊者による物損に対する補償制度が用意されている場合があります。ゲストに直接請求する前に、まず利用しているOTAの補償制度が適用できないかを確認することで、回収の手間とリスクを減らすことができます。
OTAの制度が使えない場合はゲストへ直接請求する
OTAの補償制度でカバーされない場合や個人間の直接予約の場合は、破損状況と修理見積もりを示したうえで、ゲストに直接損害賠償を請求することになります。任意の話し合いで解決しない場合、60万円以下の請求であれば少額訴訟という簡易な訴訟手続きを利用できる場合があります。
賠償請求における注意点
経年劣化と破損の切り分けが必要
設備の傷みが宿泊前から存在していた経年劣化なのか、今回の宿泊によって生じた破損なのかを明確に切り分けられないと、請求自体が認められにくくなります。日頃から設備の状態を定期的に記録しておくことが、いざというときの請求根拠を強くします。
賠償責任保険への加入で回収リスクに備える
住宅宿泊事業法のガイドラインでも、事業を取り巻くリスクを勘案し、第三者に対する賠償責任保険等の適切な保険への加入が望ましいとされています。ゲストからの回収が難しい場合に備え、施設賠償責任保険への加入を検討しておくことも実務上有効な対策です。
まとめ
- 器物破損の賠償請求は宿泊契約上の債務不履行または民法上の不法行為責任が根拠になる
- チェックイン前・チェックアウト後の写真記録が破損の責任所在を明確にする鍵になる
- 客室内への防犯カメラ・録音機器の設置はプライバシー侵害のおそれがあるため避ける
- 請求前にまずOTAの補償制度が使えないか確認し、使えない場合はゲストへ直接請求する
- 経年劣化との切り分けと、賠償責任保険への加入がトラブル対応のリスクヘッジになる
「賠償請求や保険加入について相談したい」という方は、まず無料の物件診断を活用してみてください。
その物件で民泊できますか?
行政書士による無料物件診断で不安をゼロに
「自分の物件で民泊できるのか」
「この物件を買っても大丈夫なのか」
副業で始めたい方も、本格投資を検討している方も、最初の一歩は物件の診断から。
民泊GOなら、行政書士が最新の条例・建築基準法に基づきあなたの物件の営業可否をスピーディーに無料診断します。
最短当日回答!用途地域・上乗せ条例・建築基準法など、専門家があなたの代わりに徹底確認します。
完全無料!他社では有料の物件診断が、民泊GOなら無料。契約や申請の義務は一切ありません。
結果は丁寧にご説明!申請の可否と今後の進め方をミーティングでわかりやすくご説明します。
監修者


渡邊 雄一郎
トライアド行政書士事務所代表。法科大学院修了・法務博士・行政書士。民泊専門サービス「民泊GO」を運営し、住宅宿泊事業の届出、旅館業許可、特区民泊を中心に、消防・建築・近隣対応まで含めた民泊の立ち上げ支援を行っています。


