新宿区の民泊一覧と営業可能エリア|届出住宅・用途地域を住所から調べる方法

新宿区の民泊一覧と営業可能エリア|届出住宅・用途地域を住所から調べる方法

「新宿区の民泊施設の一覧を見たい」「候補物件の住所で、いつ営業できるのか知りたい」というご相談をいただきます。目的は違いますが、いずれも最初に開く資料は新宿区の公式ページです。

結論として、新宿区の届出住宅一覧は区の公式サイトで毎月更新され、所在地、届出番号、届出年月日、近隣説明完了日、住居専用地域への該当などを確認できます。ただし、一覧に近隣施設が載っていることだけでは、別の物件で民泊を始められるとは判断できません。候補住所の用途地域を新宿区みんなのGISで確認し、曜日制限まで照合します。

既存施設を探す作業と、候補住所の営業条件を調べる作業を混ぜると、「近所にあるのだから自分の物件でもできる」という前提で契約へ進み、後から営業できる曜日が想定と違うことに気づく、という手戻りが起きます。用途地域によって条例上の実施期間が変わるためです。

以下の2ルートのうち、ご自身の目的に近い方から読み進めてください。

  • 既存の施設を探したい方:「新宿区の民泊一覧は区の公式ページで確認できる」から読み、掲載項目の見方を確認します。
  • 候補物件の営業条件を調べたい方:「候補物件の営業条件は用途地域から調べる」へ進み、用途地域の確認と曜日の照合を行います。

なお、本記事で参照する新宿区の公式情報は、いずれも2026年8月27日時点で確認したものです。以下、本文中では確認日の注記を省略します。

新宿区の民泊一覧は区の公式ページで確認できる

新宿区の届出住宅一覧と地図を確認するイメージ
届出住宅一覧は既存施設の把握に使い、候補物件は用途地域と条例を別に確認します(イメージ)。

新宿区は、区内の届出住宅を届出住宅の公表についてのページで公表しています。第三者のまとめサイトではなく、まずこのページを開いてください。

公表は毎月10日を目安に、その日が休日にあたる場合は翌開庁日に行われ、内容は前月末時点の状況です。つまり、直近に届出された施設や、直近に廃止された施設は、次回の更新まで反映されないことがあります。

一覧を見るときは、次の項目を確認します。掲載項目は、施設の特定と、その施設がどの条件下で営業しているかを読み取るための手がかりになります。

掲載項目 読み取れること
所在地 施設の位置。町丁目や建物名の表記から特定する
届出番号 施設を一意に照合するための番号
届出年月日 いつ届出された施設か
近隣説明完了日 届出前の近隣周知が完了した時点
住居専用地域への該当 区条例の曜日制限がかかる区域の施設かどうか

とくに「住居専用地域への該当」の欄は、その施設が月曜正午から金曜正午まで実施できない区域にあるかどうかを示す欄です。近隣にお住まいの方が営業状況を確認する場合も、この欄と届出年月日を合わせて見ると、状況を整理しやすくなります。

届出住宅一覧で分かること・分からないこと

一覧は、既存の届出住宅を確認する目的では有効な資料です。一方で、候補物件で民泊ができるかどうかを、この一覧だけで判断することはできません。この違いを踏まえずに調査を進めると、後の工程で前提の見直しが必要になります。

既存の届出住宅の確認には使える

近隣の建物が届出された住宅宿泊事業かどうかを確かめたい場合、所在地と届出番号を照合します。管理業者や苦情の相談先を知りたい場合も、まず届出の有無を確認してから区の担当窓口へ相談するほうが、話が具体的になります。

複数物件を検討している法人の方であれば、地域ごとの届出状況を把握する参考資料にもなります。この場合の用途は市場の状況をつかむことに限られ、自社物件で届出ができるかどうかの判断は、次項のとおり別の作業になります。

近隣に施設があることは、適法性や届出可能性の証明ではない

住宅宿泊事業は許可制ではなく届出制です。したがって、一覧への掲載は、行政が個別物件に営業の許可を与えたことを示すものではありません。「掲載されているのだから、この地域は民泊が自由にできる区域だ」という読み方はできません。

さらに、隣の建物と自分の候補物件では、用途地域、建物の要件、家主居住の有無、契約や管理規約の条件が異なることがあります。当事務所でも、「近所に民泊があるから問題ない」という見立てで検討を進めていた案件がありました。見落とされていたのは自分の敷地側の用途地域と建物条件で、あらためて住所と敷地の位置を確認したところ、営業できる曜日と収支計画の前提を見直すことになりました。

こうした手戻りは、一覧とは別に、次章の手順で自分の住所を確認しておけば避けられます。ご相談としては、物件の申込み前が適した時期です。

一覧にない施設が違法とは限らない

一覧に載っていないからといって、その施設が違法であると決めつけることはできません。前述のとおり公表は前月末時点であり、届出直後の施設は反映が遅れることがあります。廃止された施設が掲載から外れている場合もあります。

また、旅館業(簡易宿所営業など)の許可を受けた施設は、住宅宿泊事業の届出住宅一覧には掲載されません。宿泊施設として営業していても、制度が違えば掲載される名簿も違います。気になる点がある場合は、独自に判断せず、区の担当窓口へ状況を伝えて相談してください。

候補物件の営業条件は用途地域から調べる

ここからは、候補物件の営業条件を調べる手順です。新宿区では住居専用地域とそれ以外で条例上の実施期間が変わるため、住所がどちらに該当するかを先に確定させます。

地図を開く前に、正確な住所と敷地位置をそろえる

募集図面の住所は、町丁目までの表記にとどまっていることがあります。用途地域は敷地の位置で決まるため、住居表示と地番、公図で確認した敷地の範囲をそろえてから地図を開いてください。

複数の地番にまたがる敷地や、角地・路地に接する敷地では、この準備を省くと、地図上で読み取る地点が実際の敷地からずれ、別の区画の用途地域を自分の物件の条件だと誤解することがあります。

新宿区みんなのGISで用途地域を読み取る

新宿区は、都市計画情報を地図で確認できる仕組みを公開しています。入口は都市計画情報等の調べ方都市計画情報提供のページです。

住所を検索し、敷地の位置に表示される用途地域を読み取ります。記録するのは、用途地域の名称、確認日、そして「住居専用地域か、それ以外か」という区分です。この区分が、次章の曜日制限の照合に直結します。

全国向けの地図サービスでも用途地域の概況は見られますが、新宿区の物件については区の公式な確認手段を優先してください。区域の判定にあたっては、区が公開している地図と窓口の回答が根拠になります。

PDF都市計画図は全体像の把握まで

都市計画図(用途地域等)の閲覧のページからは、都市計画図を確認できます。全体像をつかむには有効ですが、縮尺の都合上、個別の敷地単位の境界を読み取る用途には向きません。

当事務所では、用途地域等の境界を地図の着色だけで断定せず、正確な敷地位置、道路境界、都市計画線をもとに確認する手順をとっています。地図上で色が接している場所ほど、敷地のどこまでがどの用途地域かという判断が結論を左右します。

境界付近や道路沿いの物件は自己判断を避ける

地図を見て「境界に近い」と感じた場合は、その時点で自己判断を止めるのが安全です。用途地域が敷地内で分かれている可能性や、読み取り方によって結論が変わる可能性があります。

窓口へ確認する際は、住所だけでなく、敷地の図面、建物用途、予定している制度、家主居住か不在か、届出の予定時期を整理して伝えます。敷地の条件を伝えずに照会すると、想定と異なる条件を前提にした回答になります。

用途地域を確認したら曜日制限を照合する

用途地域が分かったら、住宅宿泊事業と新宿区のルールで実施期間の制限を確認します。ここで「営業可能エリアか、禁止エリアか」という二択で考えないことが重要です。住居専用地域でも、曜日を限定して実施できます。

用途地域の区分 区条例による実施期間
住居専用地域 月曜正午から金曜正午までは実施できない
住居専用地域以外 区条例による曜日の制限はない

住居専用地域以外であっても、住宅宿泊事業として無条件に営業できるわけではありません。年間180日の上限、住宅の要件、周知や管理に関する手続は、いずれの区分でも用途地域にかかわらず残ります。

なお、通年営業を前提にしたい場合は、旅館業を別制度として検討することになります。旅館業は住宅宿泊事業の条例制限とは別の枠組みですが、用途地域、建築、消防、設備などの要件を個別に確認する必要があり、「用途地域を問わず可能」ではありません。

住居専用地域だった場合、次に必要なのは「実際に何泊販売できるのか」という換算です。正午を境とする制限は暦の日数とずれるため、曜日の数え方と宿泊日数の考え方は分けて理解する必要があります。詳しい数え方と、収支試算へ落とし込む際の注意点は次の記事で解説しています。

一覧と地図だけでは契約判断できない項目がある

用途地域と曜日が分かっても、契約判断の材料はまだ揃っていません。届出ができることと、建物や契約の条件を満たすことは別の問題です。

以下は、公式一覧とGISでは確認できない項目です。物件ごとに、誰に確認するかまで決めておくと、後の手戻りを減らせます。

確認項目 主な確認先・資料
住宅への該当性 建物の登記・図面、区の担当窓口
賃貸借契約・管理規約 契約書、転貸承諾、管理規約、議事録
消防の手続 消防署への事前相談
建築関係の要件 建築図面、建築の担当窓口
近隣周知 区のルールで定める周知の範囲と時期
廃棄物・清掃の体制 廃棄物関係の手続、清掃の運用体制

廃棄物や清掃の体制は、申請直前ではなく、運用方法を決める段階で準備しておくほうが進めやすくなります。運用体制は建物の条件や管理委託の内容と結びつくため、設備発注や委託先の選定と並行して詰めることになります。

補足として、当事務所が関与した新宿区の個別案件では、現地確認を経たあとに、清掃や消防、予約サイト上の表示について追加の確認を受けた例もありました。全案件に共通する提出義務ではありませんが、住所と用途地域の確認が済んだ後にも確認作業が残ることを前提に、工程を組んでください。

新宿区の届出手順、周知の範囲、管理体制などのルール全体は、次の記事にまとめています。用途地域の確認を終えた方は、こちらで全体像を押さえてください。

条例や運用は改正される可能性があります。改正の動向と行政処分の考え方については、新宿区の民泊条例は今後どう変わる?最新の動向と対策も参考になります。

住所が境界付近なら、資料をそろえて確認する

ここまでの要点は、次の3点に整理できます。

  • 公式一覧は既存の届出住宅を確かめる資料であり、他の物件の適法性や届出可能性を示すものではない
  • 候補物件は、正確な敷地位置をそろえたうえで用途地域を読み取り、住居専用地域かどうかを記録する
  • 地図の着色だけで境界を判断せず、敷地位置と道路境界をもとに窓口で確認する

既存の施設を調べる目的であれば、区の公式ページの確認で足ります。ご自身で完結できるのは、敷地が用途地域の内側にはっきり収まっていて、区分と曜日条件を資料で確定できる場合です。

一方、候補物件の契約判断が目的で、住所が用途地域の境界付近にあたる場合や、用途地域と曜日の関係を自社で確定できない場合は、契約前にご相談ください。ご相談では、正確な住所と敷地位置の整理、用途地域の確認結果、住宅宿泊事業として営業できる曜日の条件、旅館業を検討する余地、次に必要な行政確認をお伝えします。

ご相談の際は、次の情報をご用意ください。

  • 物件の住所
  • 募集図面や平面図
  • 建物の用途
  • 賃貸条件(使用目的、転貸の可否など)
  • 希望する制度(住宅宿泊事業、旅館業など)

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なお、無料物件チェックは、届出の受理、許可の取得または収益を保証するものではありません。

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