「大阪市で民泊を始めようとしているが、万博が終わった後の規制動向が気になる。万博で需要が増えた後に規制が強化されたりしない?今後の見通しと対策を知りたい」
2025年4月から10月にかけて開催された大阪・関西万博は、大阪市の宿泊需要に大きな影響を与えました。万博後の民泊規制動向を完全に予測することはできませんが、現在すでに動き出している制度整理の状況を踏まえて、運営者が取るべき対策を解説します。
万博期間中・後の大阪市の宿泊需要
万博による需要急増とその後
大阪・関西万博は、国内外から多くの訪問者を呼び込み、大阪市内の宿泊施設への需要を大幅に押し上げました。この期間、旅館業許可や民泊新法の届出を持つ施設は高稼働率・高単価を享受したケースが多かったとされています。万博終了後の需要については、インバウンド需要の持続や大阪での各種イベントの集積が、継続的な宿泊需要を下支えする要因として注目されています。
すでに進んでいる制度整理の動き
特区民泊の新規申請終了と既存施設の実態調査
大阪市は2025年11月28日に特区民泊の新規申請受付を2026年5月29日で終了する方針を正式決定し、これに合わせて既存施設の運営実態を把握するための調査を進めています。新規参入は旅館業許可か民泊新法の届出に一本化される方向で、制度の整理・適正化が図られています。
旅館業条例の改正も並行して検討されている
大阪市は2026年に「大阪市旅館業法の施行等に関する条例」の一部改正についてパブリックコメントを実施しており、旅館業(簡易宿所)側のルールも見直しが進行しています。特区民泊の受け皿として旅館業許可への注目が高まる中、その旅館業自体のルールも変化しつつある点は、これから許可取得を目指す事業者にとって重要な情報です。
住環境保護と観光振興のバランス
不適切な運営者への取り締まりは強化される見通し
大阪市は観光都市として民泊への需要が高い一方、民泊による騒音・ゴミ問題などを懸念する住民からの声もあります。今後の規制の方向性は、この観光振興と住環境保護のバランスをどう取るかによって変わりますが、全面的な規制強化よりも、不適切な運営者への取り締まり強化と適法な運営者の振興という二元的なアプローチが続く可能性が高いと考えられます。
万博後の規制変化に備えるための対策
旅館業許可の取得が比較的安定した選択肢
民泊新法の上乗せ条例は自治体が比較的自由に改正できるため、規制強化のリスクを常に抱えています。旅館業許可は上乗せ条例の対象外である点は変わりませんが、旅館業条例そのものが改正過程にあることも踏まえ、最新の制度内容を継続的に確認しながら運営することが重要です。
インバウンド対応力の強化が収益安定につながる
大阪市の民泊市場においてインバウンド(外国人旅行者)の需要は今後も継続が見込まれます。多言語対応・外国人ゲストのニーズに合わせた設備・サービスの充実を図ることで、万博後も安定した集客につながります。
まとめ
- 大阪・関西万博は大阪市内の宿泊需要を押し上げ、万博後もインバウンド需要の継続が期待される
- 特区民泊終了に伴い、大阪市は既存施設の実態調査を進めるなど制度整理を進めている
- 旅館業条例の改正も並行して検討されており、最新情報の継続的な確認が欠かせない
- 規制の方向性は住環境保護と観光振興のバランスによって決まり、取り締まり強化の可能性がある
- インバウンド対応力の強化が万博後の安定収益につながる
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監修者


渡邊 雄一郎
トライアド行政書士事務所代表。法科大学院修了・法務博士・行政書士。民泊専門サービス「民泊GO」を運営し、住宅宿泊事業の届出、旅館業許可、特区民泊を中心に、消防・建築・近隣対応まで含めた民泊の立ち上げ支援を行っています。


