「東京23区で民泊を始めたいが、規制が厳しくない区はあるのか知りたい。あるとしたら、なぜその区は規制が緩やかなのか理由も知りたい。」
東京23区の多くが上乗せ条例による営業日数の制限を設けている一方、2026年時点でも独自の上乗せ条例を設けていない区が残っています。この記事では、比較的民泊を始めやすいとされる区の条件と、その背景にある理由を解説します。
上乗せ条例がない区では国の基準どおり180日営業できる
北区は2026年時点でも独自の上乗せ条例を設けていない
北区は2026年に入っても住宅宿泊事業に関する独自の上乗せ条例を制定しておらず、住宅宿泊事業法の基本ルールである年間180日以内の営業がそのまま適用されます。用途地域を問わず一律のルールで運営できるため、初めて民泊を始める方にとって比較的わかりやすいエリアです。
江戸川区は日数制限のない条例を2026年7月に施行
江戸川区は2026年3月31日に条例を制定し、同年7月1日に施行しました。ただし、この条例は営業可能日数を制限するものではなく、届出・変更前の対面による事前説明(説明会または戸別訪問)の義務化と、共同住宅で営業する場合の区指定標識の掲示を求める内容です。営業日数の面では引き続き年間180日まで営業可能ですが、事前手続きの負担は増えている点に注意が必要です。
なぜこれらの区では規制が緩やかなのか
観光集中度が低く、近隣トラブルの報告件数が少ない
新宿区や渋谷区、台東区のように国内外から観光客が集中するエリアでは、騒音やごみ出しに関する苦情が急増し、それが上乗せ条例制定の直接の引き金になってきました。一方、比較的規制が緩やかな区は、住宅宿泊事業の届出件数自体がまだそれほど多くなく、近隣トラブルの報告件数も少ないため、区として上乗せ規制を急ぐ必要性が低いという背景があります。
規制が緩やかな区を選ぶ際の注意点
「上乗せ条例なし」は永続的な保証ではない
墨田区・葛飾区も2026年4月までは上乗せ条例のない区とされていましたが、届出件数の急増をきっかけに条例が施行されました。現時点で規制が緩やかな区であっても、今後同様に条例が新設・改正される可能性は十分にあるため、契約前には必ず区の最新の公表資料を確認することが欠かせません。
家主不在型では管理業者への委託確認も必要
上乗せ条例による日数制限がない区であっても、家主不在型で運営する場合は住宅宿泊管理業者への委託が住宅宿泊事業法上義務付けられています。区の規制が緩やかだからといって、管理体制の確認を省略できるわけではない点に注意してください。
まとめ
- 北区は2026年時点でも上乗せ条例がなく、区内全域で年間180日営業できる
- 江戸川区は2026年7月に条例施行済みだが、日数制限はなく事前説明の義務化が主な内容
- 観光集中度が低く近隣トラブルが少ない区ほど、規制が緩やかな傾向がある
- 上乗せ条例のない状態は永続的ではなく、今後の条例改正に常に注意する必要がある
- 家主不在型では規制が緩やかな区でも管理業者への委託が義務であることに変わりはない
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監修者


渡邊 雄一郎
トライアド行政書士事務所代表。法科大学院修了・法務博士・行政書士。民泊専門サービス「民泊GO」を運営し、住宅宿泊事業の届出、旅館業許可、特区民泊を中心に、消防・建築・近隣対応まで含めた民泊の立ち上げ支援を行っています。


