「民泊を始めたいと思っているけど、どこに申請すればいいのかわからない。市役所?保健所?それとも都道府県?」
民泊の申請窓口は、選ぶ制度(民泊新法・旅館業法・特区民泊)によって異なります。間違った窓口に相談しに行って時間を無駄にしないよう、事前に正確な申請先を把握しておくことが重要です。本記事では、3つの制度それぞれの申請窓口と、事前相談の進め方を解説します。
制度別の申請窓口一覧
民泊新法(住宅宿泊事業法)の申請窓口
民泊新法の届出先は都道府県(政令指定都市・中核市などは市区町村)です。担当部署は観光課・住宅課・民泊担当窓口など自治体によって名称が異なります。住宅宿泊事業法届出システムから全国共通でオンライン届出が可能なため、比較的わかりやすい申請先といえます。ただし、自治体の上乗せ条例の内容確認は各市区町村の担当窓口で個別に行う必要があります。
オンライン届出の具体的な手順は、「民泊新法の届出はどこにする?オンライン申請の手順を解説」で解説しています。
旅館業法(簡易宿所許可)の申請窓口
旅館業許可の申請先は都道府県の保健所(政令指定都市・中核市は市区町村の保健所)です。担当部署は生活衛生課・環境衛生課など保健所によって名称が異なります。市役所や区役所の一般窓口ではなく「保健所」であるという点は見落とされがちなので注意してください。オンライン申請に対応している自治体もありますが、多くは窓口での対面申請が必要です。
特区民泊の申請窓口
特区民泊は国家戦略特区を設定した自治体(大阪市など)が申請窓口です。担当部署は自治体によって異なります。重要な注意点として、大阪市では令和8年(2026年)5月29日をもって新規申請受付が終了しており、これから大阪市で民泊を始める方は特区民泊を選択できません。今から大阪市で始める場合は旅館業許可または民泊新法の届出を検討することになります。
複数の制度を比較検討している場合の窓口の使い方
民泊新法の届出にするか旅館業許可を取得するか迷っている段階では、いきなりどちらかの窓口に申請書類を提出するのではなく、まずは双方の窓口へ事前相談ベースで問い合わせ、自分の物件がそれぞれの制度でどう扱われるかを比較することをおすすめします。窓口ごとに管轄が分かれているため、片方だけに相談して判断すると、もう一方の制度であれば取得できたはずの許可を見逃してしまう可能性があります。
申請前に行うべき「事前相談」
なぜ事前相談が重要なのか
民泊の申請では、書類を揃えて提出する前に「事前相談」を行うことが非常に重要です。事前相談なしに申請書類を提出すると、書類の不備による差し戻しや、設備の基準不適合による現地検査のやり直しなどが発生し、許可取得まで大幅に時間がかかる場合があります。事前相談の段階で担当窓口と認識をすり合わせておくことが、結果的に最短ルートでの許可取得につながります。
事前相談で確認すべき5つのポイント
事前相談では、申請に必要な書類の種類・形式・部数、客室面積・消防設備・衛生設備といった施設基準、物件の用途地域と民泊の可否、エリアの上乗せ条例による営業制限の有無、そして申請から許可・受理までの審査期間の目安という5つのポイントを必ず確認してください。この5点を事前に把握しておくことで、申請後の想定外の差し戻しを大きく減らせます。
この5つのポイントをより詳しく知りたい方は、「民泊の申請前に必要な事前相談とは?窓口で確認すべき5つのポイント」をご覧ください。
消防署への事前相談も忘れずに
保健所と消防署、両方への相談が必要
旅館業許可の申請では、保健所への相談と並行して消防署への事前相談も行う必要があります。消防設備の設置基準・設置位置を確認し、適切に整備した後に保健所への申請に進むという順序が基本です。消防署への事前相談は無料(要予約)で、物件の図面・写真を持参し、消防設備の種類・設置位置の指示を受け、設備設置後に消防署の確認を受けるという流れになります。保健所と消防署のどちらか一方だけを済ませて安心してしまうケースが多いため、両方への相談が必要であることを覚えておいてください。
相談内容は必ず記録に残しておく
保健所・消防署への事前相談は口頭でのやり取りが中心になるため、相談日・担当者名・指摘された内容をその都度メモに残しておくことが重要です。担当者が異動になったり、複数回にわたって相談を重ねたりする中で、「以前と言っていることが違う」というトラブルが起きることがあります。記録を残しておけば、こうした行き違いが起きた際にも、以前の相談内容を根拠に冷静に対応できます。
💡 自分の物件を無料で診断したい方はこちら → 民泊GOの無料物件診断
窓口を間違えやすい典型的なケース
「区役所に行けば全部わかる」は誤解になりやすい
多くの方が最初に区役所・市役所の総合窓口に相談しますが、旅館業許可は保健所、民泊新法の届出は都道府県または委任を受けた市区町村の専門窓口というように、担当が分かれているのが実情です。総合窓口で「うちの管轄ではない」と案内されて別の窓口に回されるうちに、想定以上の時間がかかってしまうケースも珍しくありません。あらかじめ自分が検討している制度(民泊新法・旅館業法・特区民泊)を決めたうえで、対応する窓口に直接連絡することで、余計な時間のロスを避けられます。
審査期間中に確認しておきたいこと
審査中でも並行して進められる準備がある
旅館業許可は申請から許可まで4〜6か月程度かかることが一般的ですが、この期間を「待つだけの時間」にしてしまうのはもったいないことです。審査期間中に、OTAへの掲載準備、多言語対応のハウスルール作成、清掃・管理体制の構築などを並行して進めておくことで、許可取得後すぐに営業を開始できる体制を整えられます。
関連記事一覧
このテーマについて、さらに詳しく知りたい方はこちらもあわせてご覧ください。
- 旅館業の許可申請窓口はどこ?保健所への相談から許可取得までの流れ
- 特区民泊の申請先はどこ?国家戦略特区の対象エリアと窓口を整理
- 民泊の申請を全部オンラインで完結できる?電子申請の現状と限界
まとめ
- 民泊新法:都道府県(政令指定都市・中核市は市区町村)に届出。オンライン申請可能
- 旅館業法:物件の所在地を管轄する保健所に申請(市役所・区役所ではない点に注意)
- 特区民泊:特区を設定した自治体に申請(大阪市は2026年5月29日に新規申請終了)
- 事前相談:申請前に必ず保健所・消防署の両方へ事前相談を行う
- 5つの確認ポイント(書類・施設基準・用途地域・上乗せ条例・審査期間)を事前に把握することが重要
「自分の物件はどの窓口に申請すればいいか確認したい」という方は、まず無料の物件診断を活用してみてください。
▶ 詳しくは「その物件で民泊できますか?行政書士が教える許可の判定基準」をご覧ください。
その物件で本当に民泊できますか?
「民泊GO」なら今すぐ無料で診断できます
「副業として民泊を始めたいけど、自分の物件で本当にできるのか不安」
「手続きが複雑そうで最初の一歩が踏み出せない」
お問い合わせいただいた後、担当者がヒアリングのお電話をいたします。
物件の状況を確認した上で図面をお送りいただき、行政書士が内容を精査。申請の可否と進め方について、担当者からご説明します。
完全無料!診断費用は一切かかりません。契約や申請の義務もゼロです。
行政書士が可否を判断!複雑な法令の確認も専門家が対応します。
結果は丁寧にご説明!申請の可否と今後の進め方をミーティングでわかりやすくご説明します。
監修者


渡邊 雄一郎
トライアド行政書士事務所代表。法科大学院修了・法務博士・行政書士。民泊専門サービス「民泊GO」を運営し、住宅宿泊事業の届出、旅館業許可、特区民泊を中心に、消防・建築・近隣対応まで含めた民泊の立ち上げ支援を行っています。


