「マンションの一室を民泊に使いたい。管理規約を確認したら『民泊禁止』と書いてあった。どうすれば民泊ができるようになるの?」
マンションで民泊を始める際に最初にぶつかる壁が「管理規約」です。管理規約に民泊禁止の記載がある場合、いくら設備を整えても許可申請ができません。しかし、正しい手順を踏めば管理規約を変更して民泊を可能にできる場合があります。本記事では、マンションの管理規約の確認方法と、民泊可能にするための変更手順を解説します。
まず管理規約を確認する
管理規約のどこを確認すればいいのか
管理規約を入手したら、「民泊」「住宅宿泊事業」「旅館業」「宿泊業」「宿泊サービス」といったキーワードが含まれる箇所を探してください。加えて、「専ら住居として使用する」という表現も、民泊禁止の根拠として扱われる場合があるため注意が必要です。
管理規約のパターン別の対応
「民泊禁止」と明記されている場合は、規約変更の手続きが必要になり、変更には区分所有者の3/4以上の賛成が求められます(区分所有法第31条)。民泊に関する記載がない場合は解釈が分かれるため管理組合への確認が必要で、特に「住居専用」の条項がある場合は民泊が制限される可能性があります。「民泊可」と明記されている場合は、管理組合への事前報告を行った上で許可申請を進めることができます。
管理規約を入手する方法
所有者・賃借人それぞれの入手方法
管理規約は、物件購入・賃借を検討している段階であれば不動産業者に依頼して入手できます。区分所有者であれば管理会社・管理組合に直接請求するか、総会資料として入手することも可能です。賃借人(入居者)の場合も、賃貸借契約の際に貸主(オーナー)から取り寄せてもらう形で確認できます。区分所有者であれば閲覧・交付請求ができる権利が法律上認められている点も押さえておいてください。
管理規約を変更する手順
ステップ①:管理組合への相談・提案
まず管理組合の理事会に民泊を始めたい旨を相談します。いきなり総会に諮るのではなく、理事会での事前協議を通じて理解を得ることがスムーズな進め方です。反対されそうな懸念点を先に把握し、対策を用意した上で次のステップに進むことが成功の鍵になります。
ステップ②:近隣区分所有者への説明
特に隣室・上下階の区分所有者に対して、民泊の運営方針(騒音対策・ゲスト管理・緊急時対応など)を丁寧に説明して理解を得ます。反対意見を事前に解消することが、総会での賛成票獲得につながります。
ステップ③:管理組合総会での決議
管理組合の定期総会または臨時総会において、管理規約の変更議案を提案します。区分所有法第31条により、区分所有者の議決権の3/4以上の賛成が必要です。全区分所有者に対して通常2週間前までに招集通知を送付し、変更後の管理規約案を明示した議案書を準備する必要があります。
必要な賛成票数や手順をさらに詳しく知りたい方は、「マンションの管理規約を民泊OKに変更したい!必要な賛成票数と手順」をご覧ください。
ステップ④:規約変更後の届出・許可申請
管理規約の変更が決議されたら、民泊新法の届出または旅館業許可の申請を進めます。規約変更の決議書は、届出・申請時に管理組合の承諾を証する書類として添付を求められることが多いため、大切に保管しておいてください。
賃貸マンションの場合の注意点
オーナーの許可が絶対条件
賃貸マンションで民泊を始める場合、管理規約の確認に加えて、オーナー(貸主)の書面による許可が絶対条件です。オーナーの口頭での許可だけでは不十分で、必ず書面で残す必要があります。オーナーが許可しても管理組合が禁止していれば営業はできず、管理組合とオーナー、両方の許可が揃って初めて手続きを進められる点を理解しておいてください。
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規約変更が難しい場合の代替手段
規約変更を待たずに検討できる選択肢
総会での3/4以上の賛成を得るのが難しいと判明した場合、いきなり諦めるのではなく、別の選択肢も検討する価値があります。例えば、管理規約上の制限が及ばない別の物件(戸建てや、民泊運営に理解のあるマンション)への切り替えを検討する、あるいは長期的に管理組合との対話を続けながら、まずは民泊以外の形(マンスリー賃貸など)で運用しつつ理解を広げていくといった段階的なアプローチもあります。管理規約の変更は一度の総会で決着がつかないことも多いため、中長期的な視点を持って進めることが望ましいでしょう。
すでに民泊禁止の管理規約があるマンションを購入してしまった場合の対処法は、「民泊禁止の管理規約があるマンションを購入してしまった場合の対処法」で解説しています。
新築・中古マンション購入時に確認しておくべきこと
購入前の管理規約確認が最大のリスクヘッジになる
すでに所有している物件で規約変更を目指す場合と異なり、これから購入する物件であれば、管理規約を契約前に確認するだけで多くのリスクを回避できます。不動産会社に「民泊利用を検討している」ことを伝えたうえで、管理規約・使用細則・重要事項説明書を必ず確認し、民泊に関する規定がどうなっているかを事前にチェックしてから購入の意思決定をすることを強くおすすめします。
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まとめ
- 管理規約に民泊禁止の記載がある場合、規約変更には区分所有者の3/4以上の賛成が必要(区分所有法第31条)
- 管理規約の変更は理事会への相談→近隣への説明→総会決議の順で進めるのが基本
- 賃貸マンションではオーナーの書面による許可も必須で、管理組合の許可とあわせて両方が必要
- 管理規約の確認は物件契約前に必ず行い、記載がない場合も管理組合に確認することが重要
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▶ 詳しくは「民泊にフロントって必要?旅館業法の「玄関帳場」が免除される条件を解説」をご覧ください。
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監修者


渡邊 雄一郎
トライアド行政書士事務所代表。法科大学院修了・法務博士・行政書士。民泊専門サービス「民泊GO」を運営し、住宅宿泊事業の届出、旅館業許可、特区民泊を中心に、消防・建築・近隣対応まで含めた民泊の立ち上げ支援を行っています。


