「民泊を始めるにあたって、ゲストとのトラブルに備えてどんな書類を用意しておけばいいのか知りたい。事前の準備手順も教えてほしい。」
ゲストトラブルへの対応スピードと結果は、事前にどれだけ書類や手順を準備できているかによって大きく左右されます。この記事では、開業前に整えておくべき書類と、トラブル発生時に迅速に動くための準備手順を解説します。
法律上備え付けが必要な書類
宿泊者名簿は3年間の保存義務がある
住宅宿泊事業法に基づき、宿泊者名簿の作成・備え付けが義務付けられており、記載事項は3年間保存する必要があります。日本国内に住所を有しない外国人宿泊者については、国籍・旅券番号の記載に加え、旅券(パスポート)の呈示を求めたうえで、その写しを宿泊者名簿とともに保存することが厚生労働省の通知で求められています。
旅券の呈示を拒否された場合の対応手順も決めておく
国の通知では、宿泊者が旅券の呈示を拒否する場合、まずは国の指導によるものであることを説明したうえで改めて呈示を求め、それでも拒否する場合は旅券不携帯の可能性があるものとして最寄りの警察署に連絡するなど、適切な対応を行うこととされています。この対応フローをあらかじめマニュアル化しておくことで、現場が慌てず対応できます。
トラブル対応をスムーズにする補助書類
多言語のハウスルール・緊急連絡先一覧
外国人ゲストとのトラブルは言語の壁によって拗れやすいため、日本語に加えて英語・中国語など主要言語でのハウスルールと、緊急連絡先(管理者・管理会社・消防・警察)をまとめた一覧を用意しておくと、トラブル発生時に迅速に共有できます。
インシデント記録用のテンプレート
器物破損・騒音・無断延泊などのトラブルが発生した際に、発生日時・状況・対応内容・関係者の連絡先を記録するテンプレートを事前に用意しておくと、OTAへの補償申請や、後日の紛争対応の際にスムーズに証拠として活用できます。
保険証券のコピーと補償範囲の一覧
施設賠償責任保険に加入している場合は、保険証券のコピーと補償範囲・免責事項の一覧をすぐに確認できる場所に保管しておくことで、トラブル発生時に保険適用の可否を迅速に判断できます。
トラブル対応の手順をあらかじめ整理しておく
トラブルの種類ごとに一次対応者と判断基準を決めておく
騒音・器物破損・定員超過・無断延泊など、トラブルの種類ごとに誰が一次対応にあたるか、どの時点で管理会社や専門家にエスカレーションするかをあらかじめ整理しておくことで、家主不在型の運営であっても対応の遅れを防ぐことができます。
まとめ
- 宿泊者名簿は住宅宿泊事業法に基づき3年間の保存義務があり、外国人宿泊者は旅券の写しも保存する
- 旅券呈示を拒否された場合の対応フロー(警察への連絡を含む)を事前にマニュアル化しておく
- 多言語のハウスルールと緊急連絡先一覧を整備しておくと言語の壁によるトラブル拡大を防げる
- インシデント記録用のテンプレートを用意しておくとOTAへの補償申請等がスムーズになる
- トラブルの種類ごとに一次対応者とエスカレーションの判断基準を事前に整理しておく
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監修者


渡邊 雄一郎
トライアド行政書士事務所代表。法科大学院修了・法務博士・行政書士。民泊専門サービス「民泊GO」を運営し、住宅宿泊事業の届出、旅館業許可、特区民泊を中心に、消防・建築・近隣対応まで含めた民泊の立ち上げ支援を行っています。


